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百科図鑑 大仏訪問記

【 大仏巡礼 】
(今回の訪問は、あらゆる危険を伴う場合が有ります)


「 袈裟丸山の寝釈迦像 」訪問    群馬県  みどり市
( ものすご〜〜く 長い訪問記 )


群馬県の山奥に・・・

それはそれは山奥に・・・

大きな「涅槃像」が有ると聞いて、訪問することにした





だが・・・しかし!


今回訪問する場所は・・・


とんでもない、山奥で
標高880mまでは車で行けるが
その先(赤い道)は、徒歩で登らなければいけない

普段からエスカレーターやエレベーターで生活している
大仏ハンターにとって、最大の試練かもしれない・・・


でも、行かねばならぬ

そこに大仏が寝ている限り (`・ω・´)ノ"



そんな訳で、群馬にGO♪




涅槃像がある場所は、足尾銅山でも有名な渡良瀬川の流域

「わたらせ渓谷鉄道」でも有名な場所だ


足尾銅山は
「栃木県」のイメージが強いが
銅山から下流は、すぐに
「群馬県」になる



まずは、渡良瀬川にある「草木ダム」が第一目的地

でも、今回の目的はダムではない
(もちろん、ダムカードは、もらったけどね)


さて、最初の目的地
「草木ドライブイン」

ここに、今回の大仏訪問の
プロローグとなる像があるのだ


現在地 ダム湖の畔




だがここで、駐車場の片隅に
不思議な建物があった

なんか、おかしな
「幟(のぼり)が立ってるけど?


なんと〜 ヽ(`0´)ノ

【 貧乏神追放神社 】

ここに・・・あったのか
( ̄o ̄;)

噂には聞いていたが、ここにあるとは思わなかったwww

予想外予定外が同居す神社

さっそく、参拝してみよう

神殿の真ん中には
「傷だらけの謎の丸太」が立っている


解説を読んでみると

ナニナニ (゚_゚)(。_。)(゚_゚)(。_。) フムフム

なんと、御神木を大声と共に
「叩いて、蹴飛ばす」らしい・・・


どうりで、御神木の丸太が傷だらけな訳だ(^_^;)


もちろん、思いっきり
「叩いて、蹴飛ばして」貧乏神を退散させていただきました

それ以上に
両隣りの方々が気になるけど・・・


どちら様ですか? ( ̄o ̄;)
こんな神様しらん?


どこの誰だか解らんが、貧乏神系の方なのか?

とりあえず、拝んでおこう
カシカシ (。-人-。) コミコミ



さて、
本来の第一目的地へ進もう

このドライブインには、大きな布袋尊もあったが・・・


これじゃない(`・ω・´)ノ"

でも、拝んでおこう (。-人-。)ナムナム



目指すは、布袋尊の奥

「寝釈迦様」の幟が目印


そして、先には・・・

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!


台座の上で寝ている「涅槃像」


「釈迦と長寿亀」


確かに、一番下の巨石は・・・

かわいい「亀」

上を見上げると・・・

寝てらっしゃいます


ここには、参拝用の階段も設置されており

階段を登ると、涅槃像が拝めるようになっている

さっそく、階段を登ってみると・・・・



なんと!


仰 向 け

涅槃像は、お釈迦様が亡くなった時の姿だぞ?



これでは、バイトさぼってる学生見たいじゃないか!

青春ドラマのワンシーンのような光景に、しばし呆然


こんな
リラックスな涅槃像は初めて見た

よく見れば、涅槃像の奥に解説が書かれている


ナニナニ (゚_゚)(。_。)(゚_゚)(。_。) フムフム

『「御本尊」は、奥の山におられる』ようだ


雲に隠れてよく見えない山らしい・・・

そう、今回の目的は・・・

この涅槃像の「御本尊」に逢いに行くのだ 


ここで
リラックス涅槃像
この先の安全を祈願していこう


ナムナム (。-人-。) ナムナム
(寝てるけど、聞こえてるかな?)


と、ここで・・・


下の方を、見ると・・・

もう一体、涅槃像が・・・?


近づけば、なんとそれは

足から折れてしまった
「弘法大師」像だった

取材に行ったのが、東日本大震災の後だった為に
このような被害も発生していた
(2011年5月の時点)

仏足と涅槃像にわかれてしまった弘法大師像だが・・・


我らの身代わりになってくれたと思えば
これもまた仏の道


アリガタヤ (。-人-。) ナムナム




では、御本尊に向け、出発





ドライブインから車で5分




寝釈迦と書かれた看板が見えてきた

参道は
「登山道」になっている

距離にして6キロ

それほど遠い場所では無いのでちょっと安心



現在地 登山道入口

まだ、車で行ける舗装道路(黄の線)


山道に進むと杉に囲まれた涼しげな森

快調に進む参拝に気を良くして、どんどん進もう


途中、分かれ道があり「寝釈迦」の案内にしたがって進む

多少見づらいから注意



だが、その先・・・



景色は一転、ゴツゴツした岩場と雑木林に姿を変えた

この辺りから、この
山の本領発揮と言った所だ

そして、車はここまで

平場に車が10台ほど止められるスペースがあり
その先は、徒歩で登山道を利用しての参拝となる

現在地 駐車場

ここからは本格的な登山(赤い線)



もちろん、登山家の人たちに言わせれば
「初歩的コース」らしいのだが・・・

電気とガソリンで生活している私にとっては
かなりキツ〜イ・コース


何はともあれ、今回初めて山に登ることとなったので
生まれて初めて登山口にある提出箱へ
登山カードなる物を提出した


それに・・・

そこそこ新しいこの表示が余計に怖い
Σ(゚口゚; アワアワアワアワ


何はともあれ、山の装備と服装を整えて、
熊除けの鈴をぶら下げて


いざ、出撃 (`・ω・´)ノ" 
チリンチリン

寝釈迦までは
「4,8キロ」の道のり

そして道は・・・

あれ? 軽トラ位なら走れそうな道


登りだけど、これならなんとかなりそうだ


だが・・・奇しくもその歩きやすい道は、10分も登ると姿を消し

ガチ登山道が始まるのであった・・・

現在地 ここまでは一本道 

ここまでは、
砂防ダム工事用に作られた道だった

そして、案内が示す先には・・・

「 木 橋 」


ちょっと、どころか・・・

頼りない橋だけど、大丈夫かな?


ただ、橋から見上げる景色は最高にカッコいい

道端が、滝かよ!( ̄o ̄;)ボソッ


でも、その先が・・・

参道はドコ?(゜_。)?


山歩きなんかしたこと無いので、道が良く解らん?



人が歩いたような痕跡を追って行くしかない

赤い部分が、参道のようだ


この時点で、登山経験が皆無な私たちは茫然
( ̄o ̄)ポカ〜ン


ひとまず、道らしい雰囲気がある場所を登る

たまに
右手の「看板」など出てくると、妙に安心する


慣れている人の目には、登山道は見えると思うが・・・

不慣れな私には、正直不安でしょうがない

登り始めてから30分・・・
( ̄□ ̄;)ゼ〜ハ〜ゼ〜ハ〜

この道で・・・あってるのか?


そんな不安がよぎりまくりの状態だが・・・



所々に
人為的に小石が積まれた物が目に止まる

「山用語」で
『ケルン』と呼ばれる石積みらしい

元々は山頂などに積み上げる記念碑的な物らしいのだが
最近は登山者が登山道周辺に道しるべ&記念に積んでいくようだ


ただ、登山業界ではあまり好ましくない行為で、素人が適当に積んだ
ケルン(石山)が、
崩れて落石などの危険につながることもあるらしい


だが、我々のような登山初心者には、ある意味
心強い道しるべ

ケルンをたどるように山を登って行く

登山ガイドによっては、
初心者向けのコースと記載され
気軽に登れるハイキングのようなことが書かれているが


用心してきてよかった
( ̄o ̄;)ボソッ


初心者でも登れるには登れるけど・・・



メチャクチャ しんどい _| ̄|○ ガックリ・・

ケルンでも何でも、人工物が有ると安心するよ


登山家に言わせりゃ
「な〜に甘いこと言ってるんだ?」と思うかもしれんが
こりゃ、
大仏参拝の目的で気軽にこない方が良いな( ̄o ̄;)ボソッ


ケルン意外にも、木々に
「ビニールテープ」が撒かれている

知らない人が見れば
「コラー! 自然の木々に何すんじゃ〜!」

そんな風に思うかもしれないけど
これが重要な標識ですごく便利




時に
「保安林」のマジ標識とか出てくると、本当にびっくりする

よく、こんな所にまで標識持ってきたな〜
( ̄o ̄;)ボソッ


現在地 この先沢登り
 

そろそろ、中盤か?



( ̄□ ̄;)ゼ〜ハ〜ゼ〜ハ〜
ぶっちゃけ・・・帰りたい。やめたい。膝の笑いが止まらない


( ̄□ ̄;)ゼ〜ハ〜ゼ〜ハ〜
こんな山奥に誰が何の為に大仏作ったんだ?


( ̄□ ̄;)ゼ〜ハ〜ゼ〜ハ〜
参拝する大仏ハンターのことも考えてよ・・・


( ̄□ ̄;)ゼ〜ハ〜ゼ〜ハ〜
その一言




この辺りに来て、また新たな物が落ちていた・・・

散弾銃の「薬莢」

確かに、熊が出ると言うのは聞いていたが・・・

そう言えば・・・

所々にあるこの傷は何なんだ?


大きさはこんな感じ。高さは1,5m位で大人の目線位置

鹿か?熊か? 樹液の出方を見ても最近ついた傷っぽい


こんなのが、到る所にあるので、この辺は動物も多いのだろう

チリ〜ン チリ〜ン σヽ(`・ω・´)ノ 人間通りますよ〜




そんな感じで、
不安自然以外は
な〜〜んもない場所だが・・・

急に、こんな橋が出てくるので、これまた
「びっくり」する



丸太はともかく・・・製材は下から上げたと思うのだが・・・
「山男」 恐るべし ( ̄o ̄;)ボソッ



そして、また・・・
永遠に登り_| ̄|○ ガックリ・・

このコースは、
沢登りが多いので天候等も十分注意が必要だろう


事前にブログなどで色々と調べてきたので、準備や計画は十分なつもりだが
登山家の人たちの話だと、
登山口から1時間ほどで寝釈迦へ到着と有るが
その
時間に合わせて素人が登ろうなんて思ったら、大間違いだから注意



たとえGPS(ポータブルナビ)を持っていてもGPSマップに登山道が載ってないので
現在地が解っても今のぼってるコースがあってるのか間違ってるのか解らない


携帯のGPSは基地局が無いから、まったく使えない・・・
( ̄o ̄;)重いだけ



そんな状況で、先を見上げると・・・

こんな景色・・・(-""-;)
道って何だったけ?


でも、よく見ると・・・

間違ってないのは、確かなようだ
( ̄o ̄;)ボソッ


と、言うことで・・・

これが、参道・・・
ゼ〜ハ〜ゼ〜ハ〜 ( ̄□ ̄;) もう、イヤ



廃道探検している
「オブローダー」の記事見たいになってきたけど
(ヨッキれんとか、毎回こんなことやってるのかな?)


あくまでも、ここは
使われている「登山道」
御本尊への「参道」なのだ




ここらあたりで、一番の不安と疑問は・・・


あるんだろうな?
(-""-;)


こんな、山の中に・・・大きな涅槃像が



本当にあるんだろうな!
(-""-;)



「20%疑問」&「80%の不安」



でも・・・




あると思います (´・ω・`)

どうして・・・どうして、こんな山奥に作ったの
(T∇T)


よく考えたら、私の場合・・・
多くの撮影機材を背負ってるハンディーもあったりして
バッテリー カメラ レンズ 三脚
重い (T∇T)




現在地 この先尾根伝い

緩やかな横ばい登りへ


沢伝いに登ってきたコースは、やっと横ばいで緩やかな斜面へ変わってきた

でも、足場も悪く、いつ落石が有るか解らないような感じ・・・

標識も完全に壊れて落ちてるし・・・(T∇T)


登り始めて2時間以上・・・
(時計見てる余裕はすでに無い)

今までとは、
ちょっと違う雰囲気の岩場が出てきた


右手には、御丁寧に
階段まで・・・

誰がこんな所に階段を?(゜_。)?


でもって、もっと驚いたのが
階段から外れた
写真中央ある物

何か人工的な物が顔を出してる?


「群 教 委」

『 群馬県教育委員会 』の略だと思うが・・・

ここまで杭持ってきたのね・・・




でも、杭の先が教育委員会の管理地と言うことは・・・



見上げた先に・・・

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!


キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!

やっと・・・キタ ( ̄o ̄)


やっと・・・たどりついた

たったこれだけの
人工物が有るだけなのに・・・



文明を感じる
( ̄o ̄;)ボソッ



でも、その文明も・・・

ななめってます・・・雪の仕業かな(^_^;)


現在地

祝 ・・・((((( ^-)_∠※パン 到着


それにしても、エライ所に涅槃像を作ったもんだ ( ̄o ̄;)ボソッ


さて、ここからが
大仏ハンターの本領発揮 (`・ω・´)ノ"

群馬県指定史跡 
「塔ノ沢の石造釈迦涅槃像」
これが、正式名称のようだ

涅槃像が有る岩山には、お地蔵さんも建立されていた

手摺が有るけどそれは
転落注意の合図
落ちたら・・・たぶんヤバイ位高い場所



こちらのお地蔵さんは、真新しい

それにしても、よくここまで石仏担いできたな・・・

さあ、あと少し

足元に十分気をつけて、慎重に登ろう

岩山の最上部には、巨大な岩が乗っている

その岩を廻り込むように登ると・・・



御対面 。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。 御対面

ほぼ、仰向けに近い感じの「涅槃像」


まずは・・・合掌
ゼ〜ハ〜 (。-人-;) ゼ〜ハ〜


さて、それではゆっくり涅槃像を堪能させていただきましょう

全体像はこんな感じ

ここに有った岩を彫刻した
磨崖仏だろう


顔は、シンプルな彫り込み

賽銭と比べてもらえば分かるが、それほど大きな像では無い


全身ではけっこうな大きさになる

全身3.68m
磨崖仏・涅槃像


と、言うか・・・

大きさと言う物を超越した

努力の結果がここに有る



さて、こちらの涅槃像だが、いったい
誰がいつこんな場所
なんで作ったのか・・・


これが、詳しくは解っていない

解説を見れば、またも
「弘法大師伝説」に触れられているが
そのあたりは、あくまでも言い伝えの世界のようだ


天明2年(1782年)の文献に登場しており、当時の表現で
「真新しい寝釈迦像」とあるから、18世紀後半に作られた説が有力



ただし制作者や建立理由はまったく解らない


時期と場所と加工技術から考えると、足尾銅山の関係者によって
作られた物だと言うのが、今の所一番有力な話になっている




また、解説版に有る
「相輪塔」と言う天然の石柱も涅槃像から見ることができる

谷の向こう側に見える石がそうだ


自然石が塔のように重なった非常に面白い石柱

高さ18mもある
森の中にガンダムが立ってると思えばいい
(これは天然の石柱)

涅槃像は、230年以上前に作られたのは確かなようだが
実は
非常に不安定な場所にのっている

見上げると、下の岩には、ほとんど乗っていない


現在、はみ出した部分は
コンクリート石垣になっている

これ自体は最近の工事の様子だが
この石積みだって、ここで施工するのは大変だっただろう


私が訪問した中では
一番過酷な場所に有る涅槃像(大仏)

今後、これより高い所に有る大仏に遭遇するかもしれないが

ここまで、訪問が大変な像は出てこないと思う




涅槃像の先には平場があり、御丁寧に
灰皿まで設置されていた

登山家にしてみれば、序の口かもしれないが・・・


大仏ハンターから見れば
すでに賽ノ河原より遠い、あの世の休憩所だった
(実際には、さらに奥に賽ノ河原と呼ばれる場所が有る)


平場から振り向くと

涅槃像を乗せた岩山全体を見渡せる


とりあえず、これ以上登るのは登山家に任せて休憩


平場を流れる沢の水は雪解け水で
氷のように冷たくて気持ちよかった


沢で顔を洗いながら、ふと見上げると

山の中に、
どう見ても違和感のある人工物が目についた



なんだろう?と、思ってよく見れば・・・


トイレ (・ω・ノ)ノ 

涅槃像と同じく、いつ?誰が?こんな場所に?
トイレを造ったのか?
(こっちは調べればすぐわかりそう)

とにかく群馬の山は、摩訶不思議な世界のオンパレードだ


どこの誰が、いつ作ったのか、何も解らな涅槃像

私の中でも、伝説に残る「大仏」となった

まさに 「レジェンド」


さあ、下山だ

行きに比べれば、下りは楽だが
疲れ切った足には大きな負担


でも、登りの時には気がつかなかった景色が

たくさん見えてきた

そう言えば、往復5時間・・・誰にも会わなかった
( ̄□ ̄;)ゼ〜ハ〜ゼ〜ハ〜

情報
駐車場  有り(登山道入口)
拝観料  無し
その他  非常に危険を伴う場合も多くあります。
      ガチ登山と考えて、気軽な気持ちでは行かないように
・・・

2013.08.25
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