トップページに戻る 大仏訪問記へ戻る
雨の日も、風の日も、
大仏はそこで待っている。
「 甲府の首地蔵 」訪問 山梨県 甲府市
(この訪問記はワンダーJAPAN・16 山梨・長野ワンダーに掲載した物のスピンオフ番です)
http://www.104-0031.com/mainframe/contents/WJ16/WJ16_top.html
山梨県・県庁所在地
【 甲府 】
盆地に広がる都市であり、盆地特有の文化に触れることができる街
そんな甲府に 一風変わったお地蔵さん が点在する
その地蔵とは・・・
それぞれに呼び名はあるが、今回この特徴的な地蔵軍を総称してこう呼ぶことにする
それでは、岩に宿る精霊たちと
地蔵さんのあでやかなコラボを見に行こう
塩沢寺(エンタクジ)の「タンキリマッチャン」
まずは塩沢寺と言う大きな寺へ
山に立つ立派な寺
そんな塩沢寺の裏にある墓地へ足を運んでみると・・・
いらっしゃいました、首地蔵
その名も「タンキリマッチャン」
自然石の上に加工された頭が乗っただけの等身大「地蔵尊」
ただし、体が岩だけにボリュームは満点
かなりの斜面に立つ地蔵だけに、足元には補強がなされていた
今にも落ちそうな首が、何ともせつない感じ
そもそも、これだけ不安定な場所に鎮座していること自体が不思議だけどね (^_^;)
さて、顔だが・・・非常にデフォルメされている
特徴は大きな鼻、彫り込まれた目
建立時期も「タンキチマッチャン」の由縁も
何も解らない不思議いっぱいの首地蔵だ
青松院(セイショウイン)の「合羽地蔵」
次に訪れたのは、青松院
こちらも立派な寺だ
山門の奥にはことのほか見事な舎利殿が立つ
でも、首地蔵はここでは無く、かなり端の方・・・
本堂脇の植え込みの中に鎮座する
一見すると解り辛い場所に有るのも首地蔵の特徴かもしれない
そんな訳で、こちらが「合羽地蔵」さん
見た感じ一番地蔵っぽいスタイルの像だ
名前の由来は、合羽を着ているような姿から来たとか・・・
ただし、境内には合羽地蔵に関する解説などは一切ない
顔の作りは僧侶スタイルの基本型地蔵尊
見た感じ一番地蔵さんに近い感じが表情からもうかがえる
瑞泉寺(ズイセンジ)の「ひきとり地蔵」
瑞泉寺には、ちょっと変わった「首地蔵」がある
広い境内に「首地蔵」は見当たらないのだが・・・
本堂脇の植え込みの中に・・・
首だけが鎮座するのだ
首だけでも80センチ近くあり、以前は「岩」に乗っていた痕跡も見られる
この首地蔵は、境内から発掘されたもので
元々は境内にたくさんある岩のどれかに乗っていたようだ
落ちて地中埋まった理由は解らないが、今では「苦しみを引き取る」と言われ
多くの人に愛されている
この大きさで岩に乗っていれば、立派な大仏サイズであっただろうに・・・
おしい〜 ( ̄o ̄;)
保雲寺(ホウウンジ)の首地蔵(仮称)
この首地蔵だけは、固有名詞が解らなかった
保雲寺は比較的、平たんな場所に立つ寺
参道の石畳が妙に丸いので、よく見ると・・・
そこには石臼が敷き詰められている不思議光景だった
さて、首地蔵は・・・
小さい・・・( ̄o ̄;)ボソッ
今回訪問した6体の中では一番小さな石像
首に加工跡が残り、もしかしたら本来は「下に体」が有ったのか?と連想させる
た だ し !
体に使われている岩が非常に坐像っぽい
よく手ごろな岩があったな〜と、感心する形と大きさだ
道端・東光寺地区
東光寺と言っても地名であり、道端にドスン!と立つ首地蔵がある
見ただけでも大きいことは伝わると思うが・・・
8m70cmの最大の首地蔵
こちらの首地蔵は、唯一建立年月日が解る
背中側に【宝永4年(1707年)】と、彫られている
とにかく大きなこの首地蔵
隣にある真新しい「熊野権現神社」の祠の倍近い大きさ
立派な大仏だじぇ (・∀・)b
ただ、頭がかなり不安定な気もするが・・・
裏側に回ってみると・・・
太いカスガイが打ちこまれていた
高台に位置するこの首地蔵は、麓からも良く見える
今回訪問した中では、一番目立つ首地蔵であろう
道端・水口地区
最後の首地蔵は、今までの5体とはちょっと離れた山の中にある
その場所はモロ道端・・・と言うか
道に、はみ出している
規模で言うと、一番大きな首地蔵
道端で異様な雰囲気を無言で、醸し出している首地蔵
出会った時のインパクトが一番強い
諏訪にある「万時の石仏」にフォルムも近いと思う
動かすと祟りがあると「言い伝え」られ・・・
道路の方が石仏をよけて通っている
それなりに交通量がある峠道なので
石仏もドライバーも、お互いに気を使っている様子だ
この石仏は「首地蔵」と正式に呼ばれている 唯一の地蔵
「正真正銘の首地蔵」
近くには解説板も設置されている
解説を読んでみると、相変わらず建立時期は定かではないが
土砂崩れで亡くなった方の供養の為に作られたらしい
街に、ひっそりとたたずむ「首地蔵」
由来が解らないものだらけだが、甲府ではいたる所で「巨石」を目にすることから
岩に宿る精霊たちへの思いが産んだ、盆地特有の信仰文化なのかもしれない
情報 駐車場 有る場合もあれば、無い場所も有る 拝観料 無し その他 道端にある像など、訪問時は交通安全に十分お気を付け下さい |