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雨の日も、風の日も、
大仏はそこで待っている。


静岡大仏巡礼 3


「 常昌院(兵隊寺) 」訪問     静岡県 岡部町




大仏ではないのだが、以前から気になっていた
岡部町にある「常昌院」へと、行ってみることにした




この寺は、
「兵隊寺」と呼ばれる寺で

独観師匠の
『珍寺大道場』で見て以来
ミリタリー大仏を、追いかけている私としては、一度訪問したい寺であった。
(珍寺大道場 http://www41.tok2.com/home/kanihei5/index.html)




岡部町の中心街から下ること10分

道端に
陸軍の軍服を来た兵隊さんが立つ案内板が目に止まった。




この時点で、今までの寺とは
一風違う雰囲気が、モンモンと漂っていた。




案内に従い、角を曲がった先に待っていたのは・・・



急勾配 ( ̄∀ ̄;)

毎度の事とは言え、寺めぐりには、急勾配はつき物だ



お寺に到着すると、左手にお堂、正面に家屋があり、住職さんであろうか?
日当たりの良い縁側で、新聞を読みながら、ウトウトしているところであった。


起こしちゃ悪いな〜・・・と思いながらも、車の入ってきた音で気がついたらしく
こちらが、お堂を参拝したい旨を伝えると、ニコニコしながらお堂の方を指差し
「どうぞ、ごゆっくり」、進めていただけた



それでは、お言葉に甘えて左手にある本堂へ

両引きのガラス扉を、ガラガラガラ・・・・と、あけて・・・


足を1歩踏み入れた、その瞬間


汗ばむような初夏の暑さが


一瞬で
「キンッ」と、凍りついた

本尊とその周りを・・・


無数の軍人人形が、取り囲んでいる

その数、半端じゃない・・・

全部で、223

左も・・・   右も・・・

奥も・・・


どこも、かしこも・・・


兵隊さんの人形と、位牌が並んでいるのだ。

正直・・・寂しい・・・

無性に悲しい



今まで、多くの寺院や霊場を回ってきた
200以上もの霊気漂う場所を回ってきたが・・・




なんで、なんで・・・ここは

こんな、悲しい空気なんだろう




本尊前に座り、合掌


(。-人-。)・・・・無言



いつもなら、お経や祈願ごとが出て来るのだが・・・


なぜか、無言の合掌だった

何はともあれ、ご挨拶と合掌を終えたら
まずは周りの展示物から見直すことにした


建物内には、日露戦争の資料などが展示されている

ここに並ぶ木像は、日露戦争で戦死した岡部出身者の供養像らしく
1体1体手造りで、それぞれ亡くなった

本人に似せて
造られている




軍服も数種類みられ、陸軍が多いが、
海軍の水兵さんもいる

でも・・・非常に、無表情



本尊の裏側、一際高いところに立つ大きな像

サーベルを持ったり、ひげを蓄えたりした像は上官だろうか?


死しても、非常に厳しい規律が、この空間にはあるようだ

胸に勲章をつけている像もあれば、破損している像も多少あるが
非常に管理が行き届いている堂内であった



ここで、ミリタリー・ファンの一人として、私なりに調べてみた

公的な慰霊としては、忠魂碑や顕忠碑に代表される
「慰霊碑」による
石碑慰霊があげられる




「軍人木像」という慰霊の形は、この常昌院だけでなく
全国に
民間(私的)慰霊の形で残っているようだ。







「靖国で合おう」


その言葉を残し異国の地で散っていった多くの軍人の中には、公的慰霊では
戦没者として認められず靖国神社に、未だ名前が載っていない戦没魂もあり
そんな魂の慰霊という意味でも、
「民間慰霊の軍人木像」が存在するようだ



ここの位牌には、日露戦争の
死者一覧に載らなかった名前もあるらしい



このあたりになって、やっと撮影をする気持ちになれ
上に使われている写真の撮影を開始することにした



遺影や遺品も並べられている

その棚の
ぬいぐるみ軍人人形が非常に印象的だった



珍寺大道場では
堂内の時間は完全に日露戦争当時で停まってしまっている」
書かれていた。小嶋さんの訪問が
「1998年」私はその10年後の「2008年」


「この10年間も、何一つ動いた形跡が見られない」




表に出ると、照付ける初夏の日差しがまぶしかった・・・



教科書問題とか歴史認識の問題のたびに、机上で議論している連中や
テレビで好きなことを言ってる司会者やタレント・コメンテーターは、
一度この寺に来て、人形一体一体と、目を合わせてみたほうがいい。




帰りがけに、道端にあった
「軍人看板」を見ると・・・

あれ? 裏側は
「水兵さん(海軍)」だったんですね


 情報
最寄駅  JR東海道線 焼津駅(駅から遠いです)
駐車場  有り(敷地内に2〜3台)
拝観料  無料
所在地  静岡県岡部町
その他  
こういう場所ですので、参拝は慎重に・・・
次は、大観音界ノニューフェイス
和洋折衷?藤枝大観音へ




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